先日、住宅ローンの賢い選び方を記事にしました。
今回は、住宅ローンの賢い「返し方」について、紹介したいと思います。
住宅ローンの裏側:信用力とは?
住宅ローンの返し方の前に、住宅ローンの裏側について、少し触れます。
まず、銀行は、ある個人に住宅ローンを貸す場合、その個人の「信用力」を見ます。「信用力」とは、一言で言うと「返済能力」です。
信用力が高い人 = 返済能力が高い人
具体的には、公務員、東証一部上場企業の従業員なでです。銀行からすると、貸し倒れにくい人、つまり「年収が高い人」ということになります。
信用力が低い人 = 返済能力が低い人
具体的には、自営業、会社経営者などです。銀行からみて、「年収が低い」と思われてしまった人です。
各銀行の住宅ローンは、顧客の信用力に応じて戦略が異なる
現在は、メガバンク以外にも、ネット銀行も存在感を増してきています。そして、信用金庫などの金融機関もあります。
その各銀行は、住宅ローンにおいて、どのような戦略を採っているのでしょうか。顧客の信用力に応じて戦略が異なります。信用力に応じて、「ピラミッド」、「階段」のような構造になっています。
① ネット銀行
ネット銀行は、住宅ローンに限らず、各種手数料が安いイメージがあります。住宅ローンも当てはまります。変動金利だと、0.4~0.5%ほどの安い金利の商品が多いです。
なぜ、このような戦略を採れるのか?
それは、高い信用力の人だけを相手にしているからです。貸し倒れにくい人だけにお金を貸して、たとえ金利は引くても、多くのお金を借りてくれて、確実に返済してくれる人をターゲットにビジネスしています。
さらに、ネット銀行は店舗を持っていません。店舗費用などの固定費が少ないことも、安いローンを提供できる要因になっています。
上で述べた信用力の高い人、つまり、公務員、東証一部上場企業の従業員以外の人が、ネット銀行に申し込んでも、審査に落ちる可能性が高いです。
② メガバンク
いわゆる、4大バンク、3大バンクが該当します。
これらの銀行は、公務員、東証一部上場企業の従業員に加えて、少し属性が落ちる人までも対象をしています。
その分、ネット銀行よりも、金利が少し上がります。
公務員、東証一部上場企業の従業員の人が、ネット銀行から借りられるのに、金利が高いメガバンクから借りないように注意が必要です。
③ 地銀(地方銀行)
地方に根付いた銀行ですので、その地域の地元企業に勤めている方々に貸す場合が多いと思います。自営業の方も、含まれるケースもあります。
金利は、メガバンクよりもさらに高くなります。
④ 信金(信用金庫)
こちらは、自営業の方を得意にしています。
ネット銀行やメガバンクから借りられない方が、信用金庫から借りるケースが多いです。当然、金利も高くなってきます。
⑤ フラット35
信金からも融資を受けられない方には、「フラット35」という商品があります。主に自営業向けの商品になります。
信金からも借りられない人を対象にしており、「住宅金融支援機構」が取り扱い先の民間金融機関と共同で提供する長期固定金利の住宅ローン商品です。「住宅金融支援機構」とは、「国土交通省と財務省が管轄する独立行政法人」です。つまり、国の機関のようなものです。
民間の金融機関(一般的な銀行)では資金調達がむずかしい、リスクのある融資であるため、そのリスクを住宅金融支援機構(≒国)が取っている形になります。
「信用力の階段を登っていく」ことが賢い住宅ローンの返し方
住宅ローンの賢い返し方ですが、一言でいうと「定期的に住宅ローンを見直して、借り換える」ことです。
上で述べた「信用力の階段」を1つ1つ登っていくことが、住宅ローンを返していく上で重要になります。
年収が上がった、住宅ローンを一定期間滞りなく返済したなど、自分の信用力を上げていき、どんどん金利の安い住宅ローンに借り換えていく。
最近では、借り換えはフルローンが出ます。つまり、手数料を含めて、初期費用がゼロで、借り換えが可能です。なので、初期費用を気にせず借り換えることができます。そのときも、もちろん「総返済額」で住宅ローンを比較することが重要です。