先日のニュースで、つみたてNISAが若年層を中心に普及している、というニュースがありました。多くの金融機関では、開設された口座数は、3月末時点で金融機関の合計で50万口座程度かそれをやや上回るくらいとみているようです。
つみたてNISAが普及しているのは、主に20~40歳代
金融庁のデータによると、つみたてNISAの口座開設者は、20-40代が約7割を占めます。一般NISAは20-40代が約3割なのを考えると、つみたてNISAが普及している年代としては、比較的、若年層であることが分かります。
非課税期間が「20年間」ということを考えると、当然の結果でしょうか。
つみたてNISAが普及している理由
個人的にも、つみたてNISAはとても素晴らしい制度だと感じていて、投資の経験者はもちろん、むしろ投資未経験者にこそ、活用してもらいたい制度だと感じています。
若年層を中心に、つみたてNISAが普及している理由について触れてみたいと思います。
① 商品が素晴らしい
まず、基本として、これだと思います。
つみたてNISAの対象商品は、どれも良心的で、安心して投資できるものが多いと思います。
金融庁の肝いりの制度でもあるため、力を入れて運用対象商品の選定をしていると思います。何千個もある投資信託の中から、良心的で、長期投資に適した商品を100個ほどに厳選しています。
今までは、投資のことや投資信託のことをよくわからないような顧客に対して、「金融機関が儲かる商品」を売りつけていた側面もあったと思います。しかし、つみたてNISAでは、本当の意味で「顧客、つまり個人投資家が、長期視点で資産運用に役立つ商品」を購入し投資することができます。
つみたてNISAが普及した理由として、まずは、この商品性があると思います。
② 設定が絶妙である
つみたてNISAは、年間40万円を上限に、20年間の運用益非課税制度です。
この「年間40万円」というのは、なかなか絶妙な金額だと思います。月額だと約3万3000円。
投資の経験が豊富な人からすると、物足りない、という印象を持つと思いますが、投資経験が浅い人からすると、「毎月、3万円の積み立て投資」というのは、現実的で無理の少ない金額設定だと思います。
もちろん、上限40万円を使い切る必要はありませんが、ちょうどよい金額設定だと思います。
今まで、投資に関心がなかった人も、「よし、ちょっとやってみようかな」という気持ちにさせる設定です。
③ 普及活動に力を入れている
つみたてNISAの普及の背景には、地道な普及活動があります。
つい先日も、金融庁主催のつみたてNISA Meetup (つみップ) が開催されていました。全国各地、そして対象もママや女子部、といろんな切り口で投資の啓蒙活動を行っています。こうした地道な活動も、普及に大きく貢献しているのだと思います。
おわりに
書店でいろんな投資本をながめていると、本当に「長期」「積立」「分散」投資に関する本が多いことに気づきます。つみたてNISAの動きもあるのでしょうが、今まで投資文化が薄かった日本においても、投資の文化が徐々に広まってきているように感じます。
この流れに乗って、各金融機関には、是非とも個人投資家視点に立った良い商品を作ってもらいたいですね。