ロボアドバイザーとして人気のウェルスナビですが、その投資方法は、世界分散投資になります。具体的には、いくつかのETFを選定して、長期運用しています。
そこで、気になるのが、「ウェルスナビはどのようなETFを選定しているのか?」ということです。
実は、ウェルスナビを活用している人はもちろん、ウェルスナビを利用していない人でも、簡単に知ることができます。
ウェルスナビが選定した7つのETF
- VTI:米国株
- VEA:日欧株
- VWO:新興国株
- AGG:米国国債
- TIP:物価連動債
- GLD:金
- IYR:不動産
の7つです。意外と少なくてシンプルです。
顧客が設定した許容リスクに応じて、これら7つのETFを使って、ウェルスナビが自動でポートフォリオを組んでくれます。
7つのETFのパフォーマンス
7つのETFには、株式、債券、金、不動産など多様な資産が含まれています。
これらのパフォーマンスを確認するとともに、ウェルスナビの分散投資の実態を見てみたいと思います。
2004年以来のパフォーマンス推移です。ETFによって、設定日が異なりますが、ほぼ設定来のパフォーマンスです。
意外にもGLDが上昇幅が大きい(※設定来のパフォーマンス)
まず、目を引くのが、最も高いパフォーマンスなのが、意外にもGLD(金)です。
一般的に金の値段は安定して、昔から長期保有の対象とされていました。しかし、まさにGLDというETFが出てきて、金を直接購入することなく、金の資産を保有することが可能になり、GLDの人気および金の価格は上がっていきました。そのような背景も、GLDが上昇してきた要因の一つでしょう。
ここ5年ほどは、比較的、安定した値動きです。
AGGは、安定した値動き
AGGはディフェンシブ銘柄の代表と言っても良いものですから、この安定感は納得のパフォーマンスです。リーマンショックなどの不況があっても、ほとんど影響を受けていないことが分かります。
「100%株式投資にしてしまうとリスクが高くなって心配だ、、、」と考える方は、米国国債や日本国債などを保有してポートフォリオを組むのが良いでしょう。
以前の記事では、「債券比率は30%くらいが理想的」ということも書きました。
VTI、VEA、VWOは、それぞれ「株式らしい」値動き
VTI、VEA、VWOは、それぞれ株式ETFですが、株式らしく、その時々の市況に合わせて上下しています。
VWOは、リーマンショック前後の落差が激しいですね。リーマンショック後の約10年間を見ると、それほどパフォーマンスは上昇しておらず、「成長性」が売りであるはずの新興国ETFよりも、後述するVTI、米国株式ETFの方がパフォーマンスは良いです。
VTIは、楽天VTIの人気により、知名度が上がったように思いますが、米国株式のほとんどに投資できるETFです。リーマンショック後の米国の回復基調、とくにここ数年の好調さを表していますね。
VEAは、日欧の株式に投資するETFですが、やはり米国株式に比べると、投資対象としては魅力的ではないと思います。日本だけをとっても、日経平均とS&P500などの米国株式指標を比べてみると、パフォーマンスの差は雲泥の差です。ウェルスナビとしては、世界分散投資という観点でVEA、VWOを組み込んでいるのでしょう。
おわりに
ウェルスナビの良いところは、自動で、海外ETFを利用しながら世界分散投資ができる点です。ユーザーの作業としては、ほぼ何もしなくて良いです。1%という手数料を支払い、毎月の積立金額を設定すれば、あとは、勝手にウェルスナビがリバランスを行ってくれます。
投資の初心者にとっては、「投資には興味があって、高いパフォーマンスを期待するのだけど、難しいことは良くわからない」というニーズに応えるサービスだと思いますね。
投資経験者や投資好きにとっては、「ウェルスナビは、海外ETFをどのように配分して、どんな投資活動をするのだろうか」という興味、関心の方が強いように思います。
いずれにしても、今後も注目の金融サービスになりそうです。